こんにちは、YUKARIです!
皆さんはこれまで誰かに何かをしてもらったとき、「お返しをしなくては…」という気持ちになった経験はありませんか?
このお返しをしたくなる心理効果には、実は「返報性の原理」という、れっきとした名前がついており、ビジネスシーンでも幅広く活用されています。
本記事では、「返報性の原理」とは一体どんな法則なのか、注意点もふくめ、どのようにビジネスに活かすことが可能なのか、についても詳しくお話していこうと思います。
この法則を活用する側になることができれば、ビジネス初心者でも、皆さんは今までよりも簡単に「集客」というものを考えられるようになりますよ♪
ビジネスにも使える「返報性の原理」とは?
人間の心理
返報性の原理とは、人から何かしてもらった時に「お返しをしないと申し訳ない」と思ってしまう人間の心理的作用のことです。
これは自然なもので、人が誰しも持っている当たり前の感覚といえます。
私たちが普段無意識に感じてやっていることが多い「返報性の原理」を、ビジネスにおいて意識的に応用できるようになると、
いずれ集客に困らなくなる「最強の集客術」が実現できるようになります。
心理学者デニス・リーガン博士の実験
返報性の原理について、心理学者のデニス・リーガン博士が1971年に発表した論文中にある、以下の実験がよく知られています。
- この実験は「美術鑑賞」という名目で2人1組で行われる。
(1人は仕掛け人、もう1人は純粋な被験者。) - 休憩中、仕掛け人が飲み物を買いに出かけ、帰ってきたときに以下2つの行動パターンを試す。
A.自分の分しか買ってこない
B.もう一人の被験者の分も買ってきて渡してあげる - 美術鑑賞後、仕掛け人が被験者に対して「この福引券を買ってくれないか?」と持ちかける
この実験の結果、Aの自分の分しか買ってこない場合よりも、Bの被験者の分も買ってきて渡した場合の方が、2倍近くもチケットの購入率が上がりました。
「飲み物を買ってきた」という仕掛け人の行為に対して、被験者が「福引券を購入する」という行動でお返しをする、
まさに「返報性の原理」が働いた結果となります。
返報性の原理4パターン
ひと口に「返報性の原理」と言っても、
「相手から何を受け取り何を返すのか」によって、以下の4種類に分類することができます。
返報性の原理は好意を返すだけでなく、時にはネガティブな心理に働くこともあります。
さまざまな種類を知ることによって、相手の言動の背景にある思考を理解できるようになりますので、ぜひチェックしてみてください!
- 好意の返報性
- 敵意の返報性
- 譲歩の返報性
- 自己開示の返報性
好意の返報性
好意の返報性とは、相手から受けた好意を、自分も好意で返したくなる心理のことをいいます。
「相手に親切にされると、こちらも親切に接したくなる」
「相手からなにか褒められると、自分も褒め返したくなる」
これは好意の返報性の代表例です。
相手に好意を持ってほしいなら、まず自分が好意を示したり、親切にしたり、
先に相手が喜ぶような行動をとることによって、好意が返ってくる可能性が高くなります。
この心理をよく理解していると、人間関係やビジネスシーンにおいても、相手と円滑にコミュニケーションがとれるようになるでしょう。
- 褒められたら褒め返す
- SNSのいいね返し
- 誕生日プレゼントのお返し
- バレンタインデーチョコのお返し
- 好意を持っていなかった人に告白されると相手のことが気になりだす
敵意の返報性
敵意の返報性とは、自分に向けられた敵意を相手に返したくなる心理のことです。
先ほどの、好意の返報性とは反対のネガティブな方に「返報性の原理」が働くこともあるのです。
相手に悪口を言われたら、悪口で言い返したくなったり、まず相手に対して良い印象を持つことはないですよね。
たとえば、飲食店などで不快な接客を受けたり冷たい態度を取られたら時、その店員さんには同じような態度で接してしまいたくなる心理もこれに当たります。
また相手から受けた敵意を直接相手に返すのではなく、クレームを入れたり、SNSや口コミサイトに拡散するという敵意の返し方もあります。
返報性の原理にはネガティブな側面もあること、
そして相手に向けた敵意や悪意は、いずれ高確率で自分にブーメランとして返ってくるものなのだ、ということを覚えておきましょう。
- いつも偉そうで態度のでかい上司の行いは、部下から悪評として返ってくる
- スーパーのレジで担当者の対応に不満があると、帰りに「お客様の声」に書き残す
譲歩の返報性
譲歩の返報性とは、相手に何か譲ってもらった時に、次は自分が譲ろうとする心理のことです。
たとえば、電車で席が空いた時、隣に立つ相手が「どうぞ」と席を譲ってくれると、「いえいえ、あなたこそどうぞ」と譲り返したくなりますよね。
これが譲歩の返報性の代表例です。相手から受けた親切を返したいという意味では、好意の返報性に近いといえますね。
人は相手に何かを譲ってもらうと「恩」を感じやすくなり、それを返したくなります。
譲歩の返報性は「ドア・イン・ザ・フェイス」と呼ばれる交渉術にも応用されており、
「自分が譲歩すれば相手も譲歩してくれる可能性が高まる」というのは、ビジネスの世界でもよく知られています。
ドア・イン・ザ・フェイス…初めに「断られるであろう大きな要求」をして相手に断られた後に、「小さな要求」をすることで、相手の承諾を引き出すテクニック
ただこれはやりすぎると逆効果なこともあり、ビジネス初心者は「こんなものがあるんだな」と知っておくだけでいいでしょう。賢い消費者になれます(笑)
- 電車で席を譲る
- エレベーターに乗るときに順番を譲ってもらうと、相手が降りるときは開くボタンを押して待っていてあげる
自己開示の返報性
自己開示の返報性とは、相手がオープンな態度で接してくれると、自分も相手に心を開きやすくなる心理的のことです。
初対面で話す相手が気さくに接してくれると、それだけで緊張の糸がほどけ、自分も心を開いて話すことができたりしますよね。
他にも相手がぶっちゃけ話をしてくれると、こちらも安心して話ができるようになるのは「自己開示の返報性」が働いているから、なんですね。
まだ親しくない人と接する時は「失礼のないよう」萎縮してしまうものですが、
実は思い切ってナチュラルな自分をさらけ出して自分の想いを語ることで、
相手も心を開きやすくなり心理的な距離が縮まりやすくなります。
- 相手がオープンだと自分も心を開くやすくなる
- 相手がダメな部分を見せてくれると、自分のダメな部分も見せやすくなる
- 営業してきた相手が何でも包み隠さず話してくれていると感じると、自分も色々相談してみたくなる
身近なビジネスでの「返報性の原理」活用例
無料のお試し
試食やテスターなど、消費者にとっては「商品を無料で提供してもらう」という好意を受けとることになります。
結果として、顧客の商品に対する評価というのは、基本的に好意的なものであることが期待できます。
また、商品を試す以外に、相手が心地いいと感じる接客だけでも返報性の原理は働きます。
丁寧にもてなされた、と感じる接客のあとに、おすすめの商品を案内されると、ついつい受け入れて購入することは珍しくありません。
化粧品のタッチアップ
私たちの身近なところで、返報性の原理はよく活用されています。
具体例を一つあげると、女性なら経験した方も多いであろう、化粧品のタッチアップ。
百貨店の化粧品コーナーっていつ行っても混んでいますよね(^^;)
たくさん順番待ちをしている人がいる中、一対一でBAさんに接客してもらいながら、自分にはできないプロのメイクを施してもらうと、
「買わなきゃ申し訳ないかな…帰りづらいな…」
と思ったことはありませんか?笑
悩みを聞いて丁寧に接客してもらったり、肌を褒めてもらったり、
「何かお返しがしたい」と思うのは人間にとって普通のこと、なんです。
テスターを沢山もらえたり、無料で肌診断ができたりするのも、企業が
「何をしたら顧客に喜んでもらえるか」
「どうやって好意や親切を伝えられるか」
を常に考えている結果といえます。
ビジネス初心者が「返報性の原理」を活用して最強の集客術を叶えるポイント
見返りを求めない「返報性の原理」であること
ここまで返報性の原理について解説をしてきましたが、一つめちゃくちゃ大事なポイントがあります。
見返りを求めてテクニック的にこれを使うのはやめましょう。
見返りを求めない「返報性の原理」であることが何より重要です。
見返りを求めているのが伝わると、相手は気持ち悪がります。最悪嫌われます。
「これだけしてあげたんだから、これぐらいのもの返してくれるよね」という態度でこられたら、誰でも正直「うざっ」となりますよね。
見返りを求めた親切や善意は、ちゃんと相手に伝わります(笑)
純粋な気持ちで相手が喜ぶことを続けていれば、
「〇〇さんにはいつも良くしてもらっているから」と
自然と集客につながる流れができるようになってきます。
ギブ&ギブの精神でいる
人間に働いている返報性の原理を知ったら、あとは見返りを求めずに相手にひたすらギブすることです。
いずれ同じようなものがあなたに返ってきます。
それはギブした相手からとは限らないし、人脈やお金など別の形で返ってくるかもしれませんが、
返報性の原理とはこの世の原理なので、安心してギブしていきましょう。
ギブアンドテイクとはよく言いますが、ギブしていれば自然とテイクは後からやってきます(^^)
こちらが先にお客様に有益な情報を提供したり、何か話を親身に聴いたり、親切にするからこそ、最終的な集客や売上につながってくるわけです。
先ほどのテスターの例でいうと、いいモノだからこそ、その良さを知って欲しくて「先に顧客に無償提供する」という例もギブの代表例です。
テスターが良かったら、お願いしなくてもお客様は喜んで自ら買い物してくれるはずで、結果「返報性の原理」で集客に成功していることになります。
見返りを求めず先にギブすることが当たり前になってくると、集客に困るということはなくなりますよ!
まとめ|「返報性の原理」をビジネスの集客に活用しよう
ビジネス初心者にとって「集客」と聞くと、ついテクニックに頼ってしまいがちです。
ですがテクニックというものは、基礎や必要なマインドを身につけて、その上で初めて合わせ技で生きてくるものになります。
つまり「返報性の原理」でいうと、何度も言いますが、結局大切なのは見返りを求めずに相手が喜ぶギブをしていくことであって、
その結果が、お返しとしていずれ信頼やお金として積み重なり、集客につながって、仕事が舞い込んでくるようになるわけです。
ギブをしたら、その後どうなるかなんて気にせず、「以上、終了!」と放っておく感覚がポイントだったりします(笑)
普段から自分がされたら嬉しいことを先に相手にしていくように意識してみるなど、相手に好意的な言動がとれるようになると、
結果的にビジネスでもプライベートでも、皆さんの人生はより豊かに生きやすくなるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました(^^)♪